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石灰化について /某医院看護師 

シャント造影の写真を見て思ったことなのですが、なぜ透析患者さんの動脈は石灰化してくるのでしょうか?そして静脈には石灰化が見られないのでしょうか?
また、その石灰の成分と比率はどうなっているのでしょうか?

回答 /白石病院透析室担当医

石灰化の多くは動脈に見られますが、静脈にも石灰化が生じないわけではなく、シャント部に石灰化をきたしますが、その血管は、もともと静脈であったものが、動静脈瘻を作ることで静脈が動脈化したわけで、その変化を生じています。石灰化は動脈硬化に伴うことが多いので、動脈硬化について話をします。
病理学的には?粥状動脈硬化?メンケベルグ型中膜石灰化?細動脈硬化に分けられます。?は、内膜内にコレステロールを主体とした脂質を繊維性組織で覆った限局性のアテロームが基本的な病変です。このアテローム病変が進行すると、石灰化をきたすことがあります。?は動脈の中膜あるいは内弾性板にアテローム形成を伴わず、石灰沈着をきたしてくるパターンです。糖尿病患者にも多くみられます。
透析患者の動脈硬化は程度が強いことを除くと、非腎不全患者にみられるものとあまり違いはないと言われますが、石灰沈着の程度が強い例をよく経験します。この原因としては、Ca・P積、AGEs、リポ蛋白の代謝障害、高ホモシステイン血症、高血圧、酸化ストレス等、いろいろな原因で生じてくると思われます。
動脈硬化病変における石灰化の意義は未だ不明点が多いようです。